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Ωの本能が茜にそう言わせたんだって分かってはいる。
自分が求められてると勘違いして舞い上がって、茜を抱いたところで気持ちは手に入らない。
ただの同級生から友人になれた。セックスだけではその先への昇格は叶わない。
「あの、綾木」
「・・・なに?」
「今日も、綾木が作ってくれるのか?」
作る、って、メシのことか?
「うん。そのつもりだけど」
一昨日 片付けたばかりのリビングやキッチンは軽く掃除するだけだし、一人暮らしの茜は風呂やトイレも二日じゃ汚れてもいない。今日の仕事は洗濯物とメシの準備と作り置きくらいか。
「だったら、また作ってくれないか?肉じゃが。・・・すごく美味かったから」
「・・・うん。わかった」
やった、と言って茜がリビングへ戻って行く。
なんだよ、今の会話。まるで新婚みたいじゃん!
勘違いしないし舞い上がらないつもりではいるけど、どう考えても無理!
頼むから勘違いさせてください、舞い上がらせてくださいって!
茜のパンツを片手でぎゅっと絞りながら、綻びそうな表情筋を崩れないように固める。
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