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「家出たのって大学ん時だったからなあ。そっからこのバイト始めて、何となくそのままだし」
「劣等感、というものは無いのか」
劣等感?
・・・ああそうか。茜はきっと、自分がΩだって事にずっとそれを感じて生きて来たんだな。双子の弟に、家族に対しても。
ソファの上で膝を抱え俯く茜。
「無いよ。どんな仕事だろうが誰かの役には立ってる、意味はある。・・・茜がΩなのも、卑屈になるようなことじゃないよ」
「あやき・・・」
縋るようにも見える瞳が俺を映す。
あ、俺今いいこと言った気がする。いいんだぞ、茜。そのまま「ありがとう」とか何とか言いながら抱きついてきたりなんかしてくれても・・・
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