未知との遭遇

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αとΩには、魂で惹かれ合う『運命の(つがい)』といわれる相手が存在するらしい。しかし、絶対的に数の違いがあるαとΩにそれぞれ運命の番が存在するとなると、Ωには複数の運命の相手がいる事になる。そんなのは『運命』なんて言えないんじゃないだろうか。 俺はそんなものは信じない。 が、弟の葵はそれに出逢ったと言っていた。ネットアイドルのえれふぁんもそんな事を・・・ まさか、俺の運命の番は・・・綾木? そう考えれば辻褄が合わないことも無い。 発情期間外の突然のヒートは、綾木と再会してからの出来事だった。 そして今、あの時以上の性欲に支配されている身体。そもそも こんなにも誰かを欲しいと思ったのは初めてだ。 綾木と再会してからの俺は、はっきり言って変だ。 あれだけ女性と恋愛したいと思っていたのに、今この瞬間に欲しいと思うのは綾木だけだ。 どうしてだ。答えがあるなら教えて欲しい。 「綾木と、俺は・・・運命の番・・・?」 「茜がそう思うなら、・・・きっとそうだよ」 そう、なのか?
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