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こんな気持ちになるのも、こんなにも欲望が抑えられなくなるのも、そのせいなのだろうか。
「運命の番なら、俺たちが交わるのは至極当然の事だろう? 綾木、俺を抱いて欲しい」
早く、早く、俺の中へ来て。
尾骶骨を擽る綾木の手を後ろ手に掴んで、濡れそぼった窄まりへと導く。
「ぅ・・・」
ぬるついた襞を綾木の指先で撫でられ、応えるかのように反射的にヒクつくそこが、彼の指に吸い付こうとしているのが分かる。
「茜・・・本当に、好きなんだ。ごめんな」
なぜ謝る。俺たちが運命だというのなら、こうなることに綾木が罪悪感など抱く必要は無いのに。おかしな奴だ。
・・・ああそうか。
俺が綾木に恋をしていない、とわかっているからこいつは・・・
「俺もきっと綾木を好きになる。そういう運命なんだろう? だったら躊躇うな」
もう一度唇を重ねて、綾木を強く抱きしめる。
『好き』という感情がいまいち分からない。けれど、αの綾木を欲しい、と思う気持ちに嘘はない。
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