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ダヴィンチのオペから数日後、春馬は玉川から呼び出された。
玉川は何やら苦い顔をしていた。
「春馬ー」
「どうしたんですか?」
「くそ親父からメッセージが来た。三人でフレンチを食おうだと。頭おかしいのか」
「朱鷺田教授からですか?」
「もう教授じゃない。ただのオッサンだ。いや、ジイさんだ」
「ジイさんって教授に失礼でしょう」
「春馬がそういうから、奴が図に乗るんだ」
「いいじゃないですか食事くらい。三人で行きましょう」
「はぁ。面倒くさいなあ。断りたい、断りたい」
「やり取りが面倒なら俺がしますよ。連絡先、教えて下さい」
「…………」
「ほら」
「……分かった」
玉川は嫌な顔をしつつ連絡先を教えてくれた。
朱鷺田がバカ息子と言いながら本当は玉川を愛していることも、玉川が反発しつつ朱鷺田を尊敬していることも、春馬は全部知っている。教授を退官したとはいえ、朱鷺田から学ぶことはまだたくさんある。春馬は三人で食事ができるようにセッティングした。
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