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「ちょっ……もう」
「あー、もう我慢できない。大好き」
大きな体が上から覆いかぶさってくる。
パンケーキに浸み込むシロップのような、抗いようのない甘さと甘えが可愛い。
抱き締められて頭を撫でられる。スーツの上からゆっくりと体の輪郭を辿られた。玉川の手は繊細で優しく、どんな時も愛情に満ち溢れている。今も春馬のことが好きでたまらないといった雰囲気だ。
「ずっと一緒にいたい……」
「俺もです」
視線を絡ませながら口づける。
――あ……。
この瞬間が好きだ。
最初は軽く、体温を感じる程度に。
徐々に重なる角度を変えながら吸ったり舐めたりを繰り返す。
玉川の唇は滑らかで触れているだけで気持ちがいい。わずかに香る男臭い匂いも春馬にとっては心地いいものだった。濡れた舌を絡ませながらお互いの服を脱がせる。玉川のネクタイを抜く瞬間は最高に胸が高鳴った。
「脱がせるの、もったいないです……」
春馬が溜息まじりに呟くと玉川は笑った。
「春馬って何気に俺のスーツ姿好きだよね」
「白衣や術衣姿の玉川先生が一番好きです。でも、スーツ姿も新鮮でドキドキします」
「このままする?」
「駄目ですよ、汚しちゃいますから」
「はは。その言い方、エロい」
隙を見て玉川の舌がぬるっと奥まで入り込んでくる。感じる場所を丁寧に舐められて腰が落ちた。隠す余裕もなくはぁはぁと息をこぼしながら玉川の体にしがみつく。
――気持ちいい……。
玉川とするキスは終わりがない。行き先が分からず、謎めいていてずっと気持ちがいい。
味がするわけでもないのに美味しくてたまらない。永遠にお互いを舐め続けていたくなる。会話であり、セックスであり、お互いを知るサインでもあった。
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