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「……ん……はっ……ああっ」
「痛くない?」
「うっ……」
玉川のペニスが体の奥深くに入ってくる。
この瞬間はやっぱり苦しい。どれだけ体を重ねても慣れることはない。
けれど、春馬の苦痛をやわらげるために、玉川は丁寧な愛撫をくれた。体が弛緩するように一度、絶頂に導いた後、手と唇で全身を溶かしてくれた。
――あ、熱い……。
どうしようもなく欲しいと思うまで焦らされて、この瞬間を迎える。
甘い恐怖と、否応なく満たされる感覚。
硬い肉が中を捏ねるように侵入してくる。何度か挿れ直されて、その苦しさに泣きつつ、根元まで受け入れられたのが分かり、安堵の溜息が洩れた。
「大丈夫?」
「……うっ……ん」
「中、苦しい?」
「ちょっと……だけ」
挿れた性器を馴染ませるために動きを止めた背中へ縋りつく。硬く波打った背中に興奮が募る。その体温の高さも胸の厚さも何もかもが愛おしい。汗の匂いさえ取り込みたいと思う。
「動いてもいい?」
春馬が頷くと静止していたペニスが律動を始めた。ぬかるんだ音とともに粘膜を熱く擦られ、中心から疼くような感覚が生まれる。もうこれ以上ないほど引き伸ばされた場所に太く硬いものが出入りする。苦しかったが、玉川が自分の内側にいると思うだけでたまらない気持ちになった。命の形そのままの熱く硬い性器で奥までひと息に貫かれて、腰が震える。
玉川の熱、玉川の想い。
それが形を伴って迫ってくる。
――なんて幸せなんだろう。
そして、なんて気持ちがいいんだろう。
自分ではない他の誰かと繋がることがこんなにも心を満たしてくれるなんて、本当に信じられない。甘くて幸せで、けれど、どこか切なくて涙が出そうになる。
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