第二章 ビビデ・バビデ・ブー

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早苗の強引な勧めによって 桃子は翌日早苗のヘアスタイリストを訪ねた 黄緑色のオウムの様な奇抜な髪型のお姉の ヘアスタイリストは自分の事を ジミーと呼べと言った 最初ジミーは桃子の姿を見て これはひどい言わんばかりに息を飲んだが 元々醜いものから美しいものへ 変身させる事に生きがいを感じる ジミーのヘアスタイリスト 魂に火をつけたのか 彼は意を決したかのように ハサミを自由自在に操り パーマをかけヘアカラーと格闘した さらにジミーは家に帰ってからが勝負だと 小一時間かけて桃子にヘアアイロンの 使い方と自分で最低限見苦しく ないようにヘアセットの方法を 手厳しく伝授した後 見違えた桃子をみて 満足のいくため息をついた 「ほおっらっ ビビデ・バビデ・ブーよっ♪」 椅子を回転させられて鏡に映った桃子は ふんわりと仕上がった自分の髪を見て あまりの美しさに目を見張った 腰まであった やぼったい真っ黒で量の多い 後ろに結ぶしかなかった自分の髪が 今や胸の当たりでクルンクルンに フワフワと揺れている 艶やかな明るい髪は揺れるたびに そこから光が発せられているようで まるで別人のようだった 髪型だけでこんなに人が 変わるのかと桃子は感心した 自分の仕事に満足しているジミーが 桃子にウインクして微笑んだ 「シンデレラは魔法使いが 綺麗にしてくれたけどそれじゃ 現代ではダメ! 今は自分から努力をしている人ほど 内面から美しく輝くものなのよ                  美しく装う事は人の心を 豊かにしてくれるものなの」 鏡越しにジミーとニッコリほほ笑んだ
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