第4章

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「『ぎゃ!』って?『ぎゃ!』って何?傷つくなあ」 冗談交じりで笑いながら、太一はわざとらしく胸を押さえる。 「ごめんごめん!そういう事じゃなくて、湊人だけだと思ってたからびっくりしちゃっただけ」 なんとかごまかせたと思う。 葉月と歌音の押し殺したような笑い声を気にしつつも、私たちはまた帰り道を歩き始めた。 「来週楽しみだねー」 太一は言ったけれど、先程の話題の後で『楽しみ』とは言いにくくなってしまった。 「ねー!凜、元気しとるかな?」 私と太一は連休に島に行って凜と会ったけれど、みんなにとっては久しぶりだった。 「連休に会ったときは元気だったよ?ね、美桜」 「あ、うん。相変わらず元気だった」 葉月の顔は見られない。 きっとニヤニヤしてるんじゃないかなんて勘ぐってしまう。 「美桜」 葉月が話しかけるけれど、私はその顔を絶対見ない。 「美桜ってば」 「もう!何?」 肩をたたかれて、仕方なく葉月の顔を見た。 なんだか恥ずかしくて語気が強くなってしまったけれど、葉月はやっぱり笑っている。 「美桜の帰り道はあっちやろ?」 気が付くと、もう分かれ道に来ていた。 みんなと別の道を行かなければいけないのに、よほどぼんやりしていたに違いない。
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