とこしえの中でこそ

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 注文したコーヒーとカフェラテが届き、話は本題に入った。  率直に、前世の記憶があるのか。どれほど鮮明に覚えているのか。といったことだけを質問項目にして、話の展開はほとんど相手に預ける。  本当にその人自身が持っている前世の記憶だけを聞き出すには、これが最も良いように思えた。  彼女は淡々と話を続けていた。前の自分がどんな人だったか。どんな経験をして、どんな最期だったのか。  比較的鮮明に話しているところから、今まで会ってきた中でも、かなり自分に近しい境遇である可能性は大きく出てきた。 「結構、しっかり覚えているんですね」 「うん。よく分かんないけど、多分慣れてるのかな」  耳に残る言葉だった。メモをしていた手を止める。 「慣れてる……?」  彼女は、うーんと唸って、両手で持っていたカップのカフェラテを一口すする。  それから少しの間を空けてカップを見つめると、ここまで信じてくれるとは思ってないけどね、と口を開いた。 「前の私も、今の私と同じように前世を覚えてたと思うんだ」
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