出会い

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「わぉっ!さすが私立のお坊ちゃん高校!めちゃ広い部屋じゃん」 窮屈な家を出たくて、伯父が理事を務めるこの海星高校に実力で合格すれば格安で入れてやる条件を見事クリアし、俺は今日から新しい我が家となる寮の部屋に足を踏み入れた。 伯父の計らいか、俺の部屋は角部屋でかなり条件が良さそうだ。 真ん中の壁際に机が2つ並べられ、そこから左右対称にベッドやクローゼットが置かれている。 仕切りは無いが、これだけの広さがあれば十分快適に過ごせるだろう。 先に送っておいた荷物が届いていたので生活出来る様、荷解きをする事にした。 少し離れた所に置かれている荷物を見る。 (俺も必要最低限しか準備しなかったから荷物は少ない方だと思うけど、あっちの方はかなり少ないな・・・) チラリとこれから共同生活を送る同居人が気になった。 荷物の所まで行き名前を見る。 「・・・一ノ瀬・・・紫・・・むらさき・・・?し・・・?・・・読めねぇ・・・」 頭を抱える。 「イチノセ シオン だ。勝手に人の荷物を見ないでもらおうか」 突然背後から低い声が響く。 驚いて見るといつの間にか同居人が入って来ていた。 緩いウェーブの髪色は明るく、前髪は目が隠れる程に長い。 鋭い視線を放つ瞳は前髪とメガネに隠されつつあるが、光の加減でグレイにも 薄いブルーにも見える不思議な色合いで、全体的に色素が抜けており、日本人離れした顔立ちの男だった。 「悪かったな。荷物これだけ?少なくないか?」 「足りなかったら買い足していくからこれだけでいい」 ポツリと呟く様に言う。
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