第2話 仕事として

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セトリが大体決まり、その流れで弾いていく事になった んんっ、と咳払いしてマイクを構える タンタンタンとドラムのバチが重なる音 ベースのダンダンダンという重くて心地よい安定した音色 そして、すべてを丸く包むギター。 すぅっと息を吸って、はき出せ。 (星哉のパートの所も自分が歌うって、すごく違和感。) 初めてにしてはかなりセッションできている気がした。 音も少しはずれていても、安定感はある ジャアーンッと、演奏が終わり、音は少しずつ消えていった。 「理人」 「な、何?」 「俺のパートはわざわざ無理やり声を低くして歌う必要ない。キーあげろ」 「わかった。」 確かに星哉よりオレの方が声は高い 地声より低く出そうとしたら、やっぱり最後辺りの歌詞が擦れてしまった。
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