―冬は静かに願う―

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 「ねぇ、たまには振り向いて。」そう何度願ったことか。  でも、私はこの思いを伝えることもできずに、ただただ抱えていることしかできない。そのうちにあなたは、お似合いの輝く笑顔を見せるだれかと、幸せになってしまうのでしょう。  「それでもいい、あなたの幸せを祈ることが私の幸せ。」そういえたら恰好つくのに。  そうは言えない自分に、また嫌悪感が増していく。そして、私の心は凍っていく。
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