あの声で蜥蜴食らうか時鳥

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「私も一緒に行くは…先生きっと忘れていると思うから…」 「はぁ?」  真司は呼び止められて編集者さんがそう言ったがなんの事やらわからずに編集者さんと一緒に母親を呼びに来たのでした。 「え…ああ!そうだったすっかり忘れてた!待って今、準備するから!!」  編集者さんにそう言われて母親はようやく思い出しあわてて準備をし始めた。 「あ、ちょっと待ってください!先生!」 「な、なに?」 「先生さっきまだ原稿できてないて言ってましたよね」 「え…そ、そんな事、言ったけ?」 「言いました…それでどのくらい出来ていないですか?」 「ぅ…えっと…そのあともう少しで書き上げられるんだけど…」 「…でしたらその原稿も持って来て下さい」 「え…」 「あともうちょっとならそれもさっさと仕上げちゃいましょう」 「…はい」  母親は誤魔化そうとしたが編集者さんはちゃんと聞いていたので原稿用紙を持って来るように編集者さんに言われて母親は観念して原稿用紙も一緒に取りに行った。 「…す、すいません母が…」 「ハァー…いいのよいつものことだから…あ、そうだ真司君、入学おめでとう」 「あ、ありがとうございます」 「今日から高校生か…良いわね。あ、そうだこれ私と編集長から…」  編集者さんはそう言って鞄の中から可愛い包装紙にキレイにラッピングされた物を真司に渡した。 「え…良いんですか?…ありがとうございます」 「いいのよ気にしないであ、ちなみに中身はノートだから…安物で悪いんだけど…」 「いいえ助かります…わぁこの包装紙かわいい!」
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