あの声で蜥蜴食らうか時鳥

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 母親はちょっと動揺したので真司は疑い母親にそう尋ねたらちょうど玄関のチャイムがなり母親はそのチャイムが鳴った瞬間ビクリとして動きが止まった。 「…ハァー」  真司はそんな母親の様子を見てまたかと思いため息をついて玄関の方に行った。 「おはようございます」 「あ、おはよう真司君こんな朝早くにごめんなさいね。先生います?」 「あ、はいちょっと待っててください」  玄関に行って出たら母親の担当の編集者さんだった。真司の母親は小説家でジャンルは問わず書いているが何故か童話や絵本の話は人気だった。母親、本人は自分でもなぜ?人気なのか不明だと思っていた。 「母さん編集者さん来たよ」  リビングの方に戻った真司はまだリビングにいる母親にそう伝えた。 「…いないて言って…」 「え?」 「だってまだ原稿できてないんだもん」  「え…ごめん母さんいるて言っちゃた」 「え…」  真司は申し訳なさそうに母親にそう伝えたら編集者さんが真司の後ろから現れて挨拶した。 「先生、おはようございます」 「!?…お、おはよう…ございます…えっと…まだ締め切り前だよね…」 「ええ…」 「じゃあなんで?」 「ハァーやっぱり忘れてる…言ったじゃないですか今日は真司君の入学祝いするから早朝で打ち合わせするて…」 「え」 「え…じゃないです!真司君の高校入学が決まった時から言ってたじゃないですか…真司君の入学式の日は仕事があっても祝いたいて…それで今日は打ち合わせがあるから早朝にしようて…」  母親の担当の編集者さんは真司が母親を呼びに行く前 「あ、真司君ちょっと待って!」 「え?」
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