第4話 図書館にて

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 クーナに連れられて、ララティナは、図書館の奥に来ていた。クーナは本棚から一冊の本を取り出した。 「これがその本です」 「ありがとうございます」  本を渡され、ララティナは、驚いた。異様な気配がする。邪気のようなものが渦巻いている。 「クーナさん、何も言わずこの本を渡してくれませんか?」 「えっ!」  ララティナは、すぐに焼却すべきと判断した。中身を探って問題なければすぐに処分したいと思う程、嫌な感じだった。 「急に、どうしたんですか?もし、この本に何かあるなら、教えてください」  それはできなかった。魔女の秘密を言わなければならなくなる。しかし、放っておくことはしたくない。ララティナは、説得を試みることにした。 「詳しくは言えませんが、この本は危険です。手放した方がいい。この本がある限り、不幸は続きます」 「そうなんですか……でも、危険というなら、ララティナさんに渡すというのも、ダメです。責任を取って、私が処分します」  クーナは、思ったより、すぐに信じてくれたが、今度はララティナの心配をし始めてしまった。  ララティナはクーナがとてもいい人だと思った。こんな怪しいことを言っている自分を心配してくれるなんて。  しかし、この本に何があるかわからない現状、普通の人に処分を任せる訳にはいかなかった。 「えっと、クーナさん……はっ!」 「えっ!」  再び説得しようと思っていたララティナだったが、違和感に気付いた。  クーナの手から、本が落ちた。意思を持っているかのように蠢いた本は、ゆっくりと落ち、開いた状態となった。 「本が落ちた……?」 と、クーナが本を拾おうとに手を伸ばした、その時だった。 「きゃあ!」  本より伸びた植物の蔦のような物が、クーナの腕に巻き付き、本側へと引っ張った。  すると、クーナの腕が本に飲み込まれた。いや、腕だけではない。顔や体までどんどん吸い込まれていく。 「だめ!」  ララティナは、咄嗟にクーナの足を掴み、引っ張ろうとした。しかし、あまりに強い力には勝てず、ララティナまで本に吸い込まれていった。
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