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それは、満月の夜の事だった。
村の外れの一軒家に、二人の人間がいた。一人は妙齢の女性、一人は少女である。
少女の名前はララティナ、今年で十四歳になる見習い魔女である。
見習い魔女というのは、魔女に師事している人達のことで、魔女というのは、魔法や人智を超えた力を持っている人達のことである。
もう一人はララティナの師匠、ルルテア。ララティナにとってルルテアは、師匠であると同時に母親のような人でもあった。
ララティナは、幼い頃両親を亡くしていた、その時、ララティナを引き取ってくれたのがルルテアだった。
二人は、村の外れの一軒家に二人で住んでいる。普段は、薬を売ったり、占いをしたりしながら生計を立てている。その傍ら、ララティナはルルテアから、魔女についての授業を受けていた。
「見習い魔女、ララティナ」
「は、はい!」
ルルテアの言葉にララティナは立ち上がり、返事をする。
「私、ルルテアは、弟子である見習い魔女、ララティナを魔女の試練に推薦します」
と、宣言した。
それに合わせて、ララティナは、事前に覚えた言葉を紡ぐ。
「私、見習い魔女、ララティナはルルテアの推薦により、魔女の試練への挑戦を宣言します」
「ララティナよ、今ここに貴方の試練への挑戦が認められました。次に、試練の説明に移ります」
「はい」
覚えた宣誓を、きちんと言えたことに安心したのも束の間、すぐに気を引き締める。
「貴方にはこれから、各地を巡り、四つの禁術を修得してもらいます。期限は、二年後、そこで禁術を修めていれば、貴方は晴れて魔女に成れます」
その言葉に、ララティナは不安と期待を抱くのだった。
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