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この世に生まれて18年。わたしの記憶がある中で、一番の大声を上げました。
滅多に開かない眼が、限界まで開いています。こんなことも初めてでした。
「ちょっ! 声大きいって! 静かにしなよ!」
「ま、待ってください!! し、親友? わたしと、つ、紡木さんのことですか!?」
「はぁ? 他に誰がいるのよ? バカじゃないの」
慌てて紡木さんに確認します。そんなわたしと対照的に、紡木さんはさも当たり前のことのように、きょとんとしていました。
──これはどういうことでしょう。昨日から本当に意味不明なことばかり起きて、生きた心地がしません。寿命が本当に近づいてきているのでしょうか。
「で、では……わたしたちは、いつ親友になったのですか?」
「いつって、覚えてないの? こないだの期末考査の時だよ」
「期末考査の時……」
期末考査の時といえば、確か他のクラスメイト曰く、成績順位1位だったわたしに対して、2位だった紡木さんが嫉妬し、それからわたしを虐めるようになった出来事です。
「あの時、あたしがあんたに話しかけたじゃん! 次は負けないって! そしたら神山、頷いてくれたよね!」
全く覚えていません。クラスメイトの有象無象の一人と認識して、適当に対応したものだと思われますが、そんなことを言ってしまえば怒りに火をつけてしまうので、思い出したふりをしました。
「そ、そうでしたね……えっと、それで、どう親友に繋がるのですか?」
「えっ、だから、あたしと神山で会話したじゃん。だから、親友」
「えっ!?」
──もしかして、もしかしなくとも。紡木さんは、わたしが思っていた以上の存在だったのかもしれません。
その可能性が頭に浮かび、戦慄しました。
「……もしかして、それだけの理由で、ですか?」
「い、一回話したら親友って、本に書いてあったし! だから親友だし!」
「それだけの理由で親友と思っていたのですか!?」
「そ、それだけって! いつも話しかけてるじゃん! 昼休みとか偶然会ったときとか!」
「あれは親友だから話しかけていたのですか!?」
この、紡木さん。間違いありません。
「……だって、友達いないあたしと会話してくれたの、神山だけだったし。だから、親友なんだし……」
彼女は、わたし以上の、ド話下手さんだったのです。
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