二章 It`s a piece of cake

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──って、いえいえそんなことより。この風情のないアホ彼氏のことより。 「早く、早く食べましょう、青山くん。お弁当が冷めてしまいますよ」 「いや、元から冷めてるけど……」 「旨み成分が消えてしまうのです。早く、食べましょう」 「ちょ、待てって! うわっ、勝手にバッグを漁るなって……」 わたしはもう待ち切れなくなって、青山くんのバッグからお箸を抜き取ってしまいました。 「美味しいお弁当、いただきます」 「あ、あぁ。いただきます」 「仲良く食べさせ合いましょう。青山くん」 「……努力する」 そして、唐揚げに箸を伸ばしました。 その時です。 「ちゅうもーーーーーく!!!」 突然大声で、紡木さんが叫んだのです。 和やかな会話を楽しんでいたクラスメイトたちが、一瞬にして静まり返り、何事かと彼女の方に視線を向けました。 わたしはもぐもぐと唐揚げを頬張りながら振り返りました。 「突然だけど! みんなにお知らせ! 大事なことだからよく聞いてて!」 紡木さんは、いつものイライラとした表情ではなく、幼稚園児がクレパスで描いたようなにこにこ笑顔で言いました。 「えーっと! 今週の日曜日に、あたしの家で誕生日パーティをするよ! あたしの18歳の誕生日だから! あたしの誕生日パーティ! みんなちゃんと覚えてるよね!」 誰も覚えていないのか、声を上げる人はいません。ですが紡木さんは気にせず続けました。
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