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「買い物行ってくる」
「うん、行ってらっしゃ~い!」
「…えっ、俺一人で行くの?」
「えっ、愛良も行くんですかぁ?」
「……いいよ 一人で…」
「じゃあ、愛良も行きますよ~」
行くなら早く言えよな?
まあ、愛良の家に勝手に上がり込んだけどさ。
「どこ行くんですかぁ?」
「近くのスーパーだけど?」
「はぁ~い」
どこに行くと思ってたんだよ。ったく。
なにも考えてない愛良と一緒にスーパーへと向かった。
店内は、夕方だからけっこう混んでる。
「有太先輩は、よくこのスーパー来ますか?」
「ん?…まあまあ。愛良は来ねぇの?」
「はい。…だってここ、お菓子いいのないですしぃ」
「はぁ?なにそれ。まぁ、食品はいいのがあると思うけどな~」
今日の晩御飯のメニューを考えながら、食べ物を見ていたら、遠くに見覚えのある人物を見つけてしまった。
「どうしたんですかぁ?ぼーっとしちゃって」
あいつ…!足助守!
「あっ!小暮くーん!」
「うを!気付かれた!」
けっこう離れてたのに、こいつ視力いいな…。
「やっほぉー!小暮くん!何してるの?」
「えっ…」
「…誰?その子?」
やはり、そこ注目しちゃうよな。
「ええっとー」
なぜか愛良が答えようとしている。
「ふぅーん」
なにやら足助は勝手に解釈して、にやにやし始めた。うざいんだけど…。
「で?君は何してんの?」
俺からも質問してやった。
「野菜とか…サラダの材料買ってたんだぁ!晩御飯だよ」
「サラダだけ?すげぇ、さっぱりしてんな~」
「小暮くんは?何か買うの?」
「俺はお好み焼きの材料買いに来た」
「へぇ~。小暮くんってさぁ、料理うまいんだよね?いいなぁ~。俺も食べてみたいなぁ~」
「食べたいわけ?」
「えっ、食べに行っていいの??」
「…い、いいケド?」
「やったぁ~!ありがとう!さすが小暮くんだー」
な、何でこんなことになったんだ!
「とりあえず、買い物しないとだし」
「オッケー!それじゃまた後でね。俺一旦帰るけど、またここに来るから!一緒にいこーね」
足助はあと会計するだけだったのかよ。
愛良は俺らが話すのをぼけっと不思議そうな顔で見ていた。
買い物が終わり…外へ出ると見事に足助が待っているではないか。しょうがないから、俺、愛良、足助の3人で愛良宅へ向かった。
愛良の家は近いのですぐに到着した。
「えっ?ここ小暮くんち?」
アパートに到着するなり、失礼発言をする足助。いくらボロいからってそんなあからさまにありえないって反応するなよな!
「ここはー愛良のうちですよ」
「もしかして、一緒に住んでんの?」
「違うし。それはあんただろ?」
「えへへ !そーなんだ。…ところで、お嬢さんのお名前は?」
「溝内愛良です」
「え?モデルの?すげぇや」
「モデルでも、田舎もんですよ~」
「えっ どこ出身?」
「青森です」
「青森のほうがイイじゃ~ん。奄美より都会じゃん?」
玄関先でいつまでも話しているので、中に押しやってやった。
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