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「あ、奄美行きましたよ!とてものどかでした」
「だよねぇ。都会と比べるとねぇ~」
「そ~ですねぇ」
二人はちゃぶ台を囲んで話し込んでいる。俺は一人晩御飯の準備で台所にいる。
「あ、多喜ちゃん…桜川多喜って知ってる?」
「あ、会いましたよぉ!しゃべり方は変だし、怒るところズレてるし。とっても変な人でした」
「アハハ!だよねぇ 多喜ちゃん変だよねぇ」
「はぁい。えっと、そーいえば名前は?」
「俺?足助守だよ~」
「足助さん?すごく面白いですねぇ!」
「えっホント?初めて言われた…えへへっ なんか照れるなぁ~」
「…てめぇら仲良くしすぎ!しゃべりすぎたろ」
「あ、そーいえば、小暮の料理は?まだ?」
「…今作り途中」
粉とキャベツを混ぜながら答えた。
「お願いねー。ねぇ、愛良ちゃんは小暮くんのどこがいいの?」
「えっ、優しいところと…えっと…」
「何話してんの!」
「いーからさぁ、小暮くんはジュージューやっててよ!…それで他には?」
「これ以上は言えませんよぉ~?足助さんも彼女いるんですよね?」
よし、そうやって足助をいじめてやれ。
「うん!」
「足助さんはー彼女のどんなとこが好きなんですか?」
「ん~?まぁ全部かなぁ~?」
「結婚するんですか?」
「うん。結婚してって言ったんだぁ~!」
「す、すごいですね!」
足助の頭はおかしいと思う。気にせずお好み焼きを焼く作業へと入る。
「そーいえば、愛良ちゃんって、前うちに来たことない?俺の彼女が連れて来たような…?」
「え?え~っと?あ!もしかして、彼女さんは若桜さんですか?」
「そうだよ」
「そうです!行きました!」
「そのときは、俺追い出されたんだよ。なんか愛良ちゃんの相談を聞くとかなんとかって、言ってたような?」
「あ、はぁい。そーなんですよぉ」
「あ、小暮が愛良ちゃんをいじめてたってやつだよね?」
「うーんと、そんな感じですねぇ…」
「かわいい子はイジメたくなるんだよねぇ。うんうん!分かるよその気持ち!」
「…何の話してるわけ?」
丸聞こえだけど、とりあえず止めておきたい。恥ずかしいから。
「いーからいーから。ねっ?小暮くんは早く作ってよね」
「……」
「ねぇねぇ、愛良ちゃんはさぁ、小暮くんの元カノとか知ってる?」
「はい、知ってますよぉ。いい人ですよ?」
「俺も知ってるけどさー外見はいいケド、性格ビミョーだったらしいよ?多喜ちゃんが言ってた!」
「そーなんですかぁ?知らなかったです」
「そうそう、小暮くんって昔、彼女つくりまくりだったって知ってる?」
「あっ、知ってますよぉ」
「かっこいいし、清潔感漂ってるもんねぇ!しょーがないかぁ」
「そう、ですね?ところで足助さんは、昔どうだったんですかぁ?彼女とかいたんですか?」
「うん。俺は2、3人いたかなぁ?」
「へぇー。モテますねぇ!」
「そう?普通じゃない?」
「いえいえ!もててますよぉ!すごく」
「てゆーか、しゃべりすぎだから!」
お好み焼きを載せた皿を二人の前へ置いた。
「てゆーかいつの間に出来たの?」
「…今だよ」
「やったぁ〜おいしそー!早く食べよ!」
愛良はご機嫌になった。足助守め…プライベート探りすぎだろ!
「みんなでーいただきまーす!」
愛良は我先に食べる。足助も食べた。
「うん、美味しいね!さっすが小暮くんだよー!プロ並じゃん!」
「そ、そうかぁ?」
そんなに褒められるとは思ってもみなかった。
「毎日小暮くんの手料理を食べれらていいねぇ!」
「はぃ!しかも栄養バランスまで計算してるみたいなんですよ?すごくないですか?」
「それはヤバイね!栄養師並のレベル。てか何でカメラマンなの?それって女あさり?」
「ちげぇーよ!」
「わぁー怒った!小暮くん短気~!」
「意味分かんねぇんだけど!」
「アハハ!おもしろーい!」
「てか何で愛良笑ってるわけ?」
「ひゃ~ごめんなさい!なんか面白くって!」
「小暮くんがキレたらこわーいね!」
「てめぇーは黙って食え!」
「おもしろーい!小暮くん毎日ここ来てるとか早く住めって話だしー。うけるー」
「う、うるせぇよ!毎日とか来てないし」
「えー、でもさっき愛良ちゃんは毎日手料理食べてる?って聞いたらそうだって!」
足助…探り入れすぎて怖い。こんな怖い足助としばしすごしたのであった。どっと疲れた。
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