36.ウンチ詰まり事件―ほじって掻き出して助けてやった!

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36.ウンチ詰まり事件―ほじって掻き出して助けてやった!

土曜の朝、久恵ちゃんがトイレを出たり入ったりしている。 「どうしたの? お腹の具合でも悪いの?」 「あのー、ここ5日ばかりウンチが出ていないんです」 「ええ、そりゃー大変だ。苦しくないの?」 「苦しいけど、出ないものは出ないの。私、緊張すると便秘になるんです。ここのところずっと夜、緊張していたので」 恥ずかしそうに僕に告白してくれた。 「なんで早く言わないの、便秘薬があったのに」 「恥ずかしかったから。でも下腹が痛い」 「そうだ、それなら浣腸したらいい。イチジク浣腸!」 早速、僕は駅前の薬局に走って買いに行って来た。また必要になるかもしれないと2箱買ってきた。帰ってきてもやっぱりまだ出ていなかった。 「買ってきたけど、使ったことある?」 「ないけど、使い方が書いてあるからやってみる」 久恵ちゃんがトイレで試みている。 「やっぱり出ない。下腹とお尻の穴が痛い」 もう、今にも泣き出しそうだ。 「浣腸の仕方が下手じゃない。やってみていい?」 「恥ずかしい」 「はい、お尻を出して」 久恵ちゃんはもじもじしていたが、覚悟を決めた様子で、トイレの前で四つん這いになって下着を下げてこちらにお尻を見せる。相当に恥ずかしがっている。顔が真っ赤だ。 AVにもこういう場面があった。実際にこんな場面に遭遇するとは思わなかった。それも久恵ちゃんの可愛いお尻だ。 お尻の穴は確か蕾のようなはずが、太い黒いウンチが顔をだしている。触ってみると固い。痛いはずだ。これは手で取り出さないとだめだ。 薄いビニールの使い捨て手袋をして取り除き始める。固いけど、ポロポロとれる。顔を出している部分が取り除かれると、蕾が戻った。可愛い!  そこに指を突っ込み、さらに奥の固いウンチを取り出す。ウンチを取り除くと結構広い空間ができたみたい。中の粘膜が柔らかい。楽になったと言うので、ここまでとした。 恥ずかしがって、すぐに久恵ちゃんはトイレに隠れた。行き掛かりとはいえ、大変なことをしてしまった。でも助けたい一心でのことだから、許してくれるだろう。 水を流す音が何回も聞こえる。時間をおいて、ようやくトイレから出てきた。ほっとした顔をしている。 「出たー! 20㎝はあったわ、太いのが、パパに見てほしかったけど」 「結構です。はしたない。うら若き女性の言うことか!」 僕は最近変態気味だけどそこまでには至ってはいない。本当に興ざめで見たくなんかなかったんだ。 「恥ずかしくて、恥ずかしくて」 「臭い仲になってしまったね」 「望むところですから」 そのあと、久恵ちゃんは以前にも同じことがあったと話してくれた。兄と久恵ちゃんのママが結婚して、3人で一所に生活を始めてからしばらくして、今まで男の人と同居したことがなかったので、やはり過度の緊張で便秘になったという。 夜中にお腹が痛くて痛くて我慢できなくなって、両親に言ったところ、兄がとても心配して、すぐ119番に連絡して見てくれる病院を探して、車にのせて連れて行ってくれたという。 処置は今回と同じで看護婦さんが手で掻き出して浣腸してくれたそうだ。まんざら間違った処置ではなかったようだ。次はすぐに対処できる。 兄は「なぜ早く言わない。体の具合が悪かったら、遠慮しないですぐに言わないと。もう家族なんだから」と言ってくれて「大事にならなくてよかった、本当によかった」と喜んで、抱き締めてくれた。これまで父親に接したことがなかったので、とても頼もしくて、嬉しかったそうだ。 また、暇を見て勉強も助けてくれたので、とてもありがたかった。父親ってこういうものなんだと、父親ができて初めて嬉しいと思った。 それで、今まで「おじちゃん」と言っていたのを「パパ」と呼んでいいかと聞いたところ、照れくさそうに「パパか、いいよ」と、とても嬉しそうだった。それから、徐々にパパが好きになっていったという。 この話を聞くと、やはりどこかで僕と兄貴は繋がっている。このウンチ詰まり事件から、久恵ちゃんは夜、明かりを消してとは言わなくなった。 二人には人にはとても言えない秘密ができて、前よりもっと気持ちが通じ合うようになった気がする。夫婦ってこんなふうに少しずつ絆が深まって行くのだろうか?
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