5人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「ああ床がかたい。疲れてるのに。2歳も年上なのに。ああ床がかたい」
夜中、電気の消えた室内に呪いのようなうめき声。
床に寝せられた自分に対し、柔らかなベッドで寝るオレへの嫌がらせだ。
声の主はホームステイで来たばかりの宇宙人、楓。
オレは朝まで無視をした。突然やって来たオマエが悪い!我慢しろ!
1-2)
夜が明けてオレの生活は一変すると思った。
でも楓は気さくないい奴で、時間を乱されるストレスもなく、今のところ平穏な日常を過ごしている。
初日から大変な目にあいたくないしな。
午前中は楓の母星N101での生活習慣なんかを聞いた。あまり地球と変わらないみたいで少し期待外れ。
違うのは食生活。
好きな量の錠剤を腹が空いたら食べるらしい。サプリメントみたいな物か?どうりで痩せてるわけだ。
一錠もらって食べたらイチゴ味がした。なかなか美味い。もう一錠もらった。
楓は地球の銀行に通帳を作っていた。見せてもらったらオレより額が多い。
いや、とんでもない額だった。ホームステイ中の一週間、何度か食事をオゴってもらおう。
「いいけど、一回千円以内な」
……あっさりと笑顔で言うなよ。コイツ、意外にケチだ。
最初のコメントを投稿しよう!