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「そうです、雪なんです」
「え?」
「それはアラザンって云うんですけど、此処で見る雪があまりに綺麗だから、その雪のつもりで、散りばめたんです」
ハルさんが微笑む。
「秋鹿の思いつきは大成功でしたね」
秋鹿は羞かしそうに謙遜する。「たいした思いつきじゃないから」
「いいえ、小さな工夫が、大きな饒かさを生むんですよ」
真鶴は銀の実で煌めくココアを見つめた。秋鹿の睛に映る雪は、こんなにも美しいのか。
「ああ、また降ってきたわね」
麗ら彦が窓に顔を向けて呟く。皆も雪の散らつきだした空を眺めた。
真鶴は二杯目のココアをゆっくりと味わった。何てあたたかな飲み物だろうか。
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*『愛しのココア』おしまい。次のお話に続きます*
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