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「クリスマスって何だ、秋鹿、」
「プレゼントを貰ったり、ツリーを飾ったり、みんなでパーティーしたりする日だよ」
「パーティー?」
「そう。七夕の時みたいに、みんなとクリスマスが出来たら良いなって」
先日、あやかしの世界で起こったことの後始末に忙しいのか、近頃あやかしたちがハルの喫茶店である「カトル・セゾン」に来る回数が減っていた。そのことを、秋鹿は少しだけ淋しく感じていた。
「みんな? 麗ら彦たちのことか?」
「そう。僕の識っているあやかしのみんな」
「それが秋鹿の願いなのか?」
銀河は身を乗り出し、蒼い睛を輝かせた。
「うん、そうだね。みんなと愉しくクリスマスが過ごせると良いな」
秋鹿は何気なく云ったのだが、
「よし、判った!」
銀河は勢い込んで、ぱっと姿を消した。あやかしの国へ、行ったようだった。
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