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12月25日。朝6時前。
幼い娘がはしゃいでいるけれど、まだ布団から出たくない。
「サンタさんがプレゼントくれたの!」
「メリークリスマス。じゃ、おやすみ」
私の隣はからっぽ。どうやら夫はもう起きているらしい。尊敬する。
「ママ! ママ!」
娘が小さな手で、羽毛布団を引っぱる。やめて寒い。
「起きて。サンタさん、ママの分もプレゼントくれてるよ!」
「え?」
枕元には、小さなプレゼントがあった。
中身は些細なもの。
パステルカラーのマカロン。近くの洋菓子店のプチギフト。
『いつもありがとう』という、メッセージがそえられていた。
「ママ嬉しい?」
「う、うん」
けれどサンタさんの正体がわかっているだけに、リビングに行きづらい。
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