第1話 亜弥が家にやって来た

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第1話 亜弥が家にやって来た

俺は単純に妹みたいな存在が出来て嬉しかった。 「亜弥ちゃんは……お父さんもお母さんも居ないんだから大切にしてくれよ。」 父さんから そう言われたが…… 小6の俺には彼女の寂しさとか…… よく分からなかったんだと思う。 学年では2つ下になる…… 12才の俺は妹が急に出来て 戸惑いもあったが、 素直に喜んだ。 夜は父さんと同じ布団で川の字になって寝ていたのだが、亜弥は不安からか……父さんに抱きついて寝ていた。 ある夜には亜弥は両親の事を思い出したのか…… 酷く泣いて僕達を困らせた事もあった。 父さんが仕事から遅く帰ってくる時は…… 食事、風呂と亜弥の面倒を俺が見て、 布団に入ると父さんの代わりに…亜弥に抱きつかれて眠った。 そんな風だったから、亜弥は父さんの娘であり、俺の妹として育ったんだと思う。 2年程 時が経つと……俺に夢精が、亜弥に初潮が訪れた。 父さんは心得ていて……俺にも、亜弥にも ちゃんと説明をし、理解させて対処してくれた。 父さんは、それぞれに…… 「これは健康な男子(又は女子)が大人になる為に通る神様からの贈り物なのだ」と説明した。 俺と亜弥は、その時……『これを大切にして…来るべき時に備えよう』と思った筈だ。 俺は愛と性について悩んで大きくなったが、 亜弥もきっと そうだったと思う。 中学で友達付き合いも有ったが、亜弥が一人になりそうな時は……俺は必ず 亜弥の面倒を見る事を優先した。      
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