April

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入学式。 期待に胸を膨らませる。 今日をずっと待ち侘びていた。 クラスメイトに親友は居るだろうか? 新しくクラスメイトになる人はどんな人だろうか? 中学の先生はどんな人だろうか? 気になる事は沢山あった。 でも、一番気になるのは、『あの人』と同じクラスになれるかだった。 会場に着いた。 私が通う中学校は、他の小学校からの合併が無い。 だから、会場には見知った人だらけだ。 私は、母と一緒に、クラス編成が書かれている紙を見上げた。 そして、自分の名前が2組の欄に書かれている事を確認してから、『あの人』の名前を探し始めた。 (ああ・・・。) 『あの人』・・・「中澤海斗」という字は3組の欄にあった。 春休み中、ずっと願っていたのに! がっかりしながら、私は親友達の名前を探し始めた。 (ああ、神様!) 神様は残酷だった。 たった二人の親友からも、私を引き離してしまうのだ。 「おっ、同じクラスじゃん。よろしく」 絶望のどん底に居る私に声を掛けてきたのは、去年同じクラスだった(いや、「同じクラス」は現在進行形だ)輝だった。 彼は、女子の中で孤立していた私を、「玲奈は女子に理不尽な理由で差別されている」って言って仲良くしてくれたのだ。 私と輝、そして海斗は、前の学年では仲良しグループだった。 だから、クラスが変わっても大丈夫かな・・・。
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