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入学式。
期待に胸を膨らませる。
今日をずっと待ち侘びていた。
クラスメイトに親友は居るだろうか?
新しくクラスメイトになる人はどんな人だろうか?
中学の先生はどんな人だろうか?
気になる事は沢山あった。
でも、一番気になるのは、『あの人』と同じクラスになれるかだった。
会場に着いた。
私が通う中学校は、他の小学校からの合併が無い。
だから、会場には見知った人だらけだ。
私は、母と一緒に、クラス編成が書かれている紙を見上げた。
そして、自分の名前が2組の欄に書かれている事を確認してから、『あの人』の名前を探し始めた。
(ああ・・・。)
『あの人』・・・「中澤海斗」という字は3組の欄にあった。
春休み中、ずっと願っていたのに!
がっかりしながら、私は親友達の名前を探し始めた。
(ああ、神様!)
神様は残酷だった。
たった二人の親友からも、私を引き離してしまうのだ。
「おっ、同じクラスじゃん。よろしく」
絶望のどん底に居る私に声を掛けてきたのは、去年同じクラスだった(いや、「同じクラス」は現在進行形だ)輝だった。
彼は、女子の中で孤立していた私を、「玲奈は女子に理不尽な理由で差別されている」って言って仲良くしてくれたのだ。
私と輝、そして海斗は、前の学年では仲良しグループだった。
だから、クラスが変わっても大丈夫かな・・・。
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