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そっと深夜のキッチンへ忍び込み、冷蔵庫を開ける。
両親のために冷やしてあるビールを、一つ拝借した。
二階の自室へ戻り、タブを切る。
一口飲んで、眼を閉じた。
ちっとも美味くなんかない。
ただ、大人はこういう時に酒を飲むのだ、ということは知っていた。
飲酒に、逃げ込もうとしていた。
「あ! ビールなんか飲んじゃって、不良!」
他人の声に、驚いて顔を上げた。
いや、他人なんかじゃない。
この声は。
「遥人!?」
そこには、制服を着た遥人がにこにこして立っていた。
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