卒業式

……でもね、それで親友から渡辺を奪いたいわけじゃないの。

言っても無理なことはわかってるし。

だって、渡辺は私の親友にベタ惚れだもん。

そんなの、3年間ずっと見てきたからわかる。

わかりすぎるくらいにね。

だから、本当の本当に、ただの思い出として。

それくらい、望んじゃダメかな？

思いを巡らせてる間に、友達との写真タイムがほぼほぼ終わり、帰ろうかという流れになってきた。

渡辺を視界に捉えたまま、チャンスを伺っていると

「じゃあ、私帰るね！また、今夜、クラス会でね」

と親友に肩を叩かれた。

あぁ、どうしよう。

渡辺が親友と帰っちゃう。