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雨と連絡ノートとドS
大樹と一緒に作ったてるてる坊主を
カーテンレールの群れに埋め込みながら、
「大樹。来週は晴れるはずだからね!」
「え!?何で?お母さん、予言者!?」
「ぷはは!予言者って何ぃ~!?」
「だってお母さん、晴れるって言ったやん!」
「…ごもっともで。でも、お母さんスゴいから!」
「晴れるといいなぁ!」
大樹はニコニコしながらてるてる坊主の群れを
見上げた。
その日の夜。
亮輔はお風呂に入っていて、その間に
連絡ノートを書いてしまおうと思い、
いつも通り、連絡ノートを開き、
ペンを持って何て書こうか考えていた。
“うーん。どう書こうかなぁ…。”
ゆっくりとペンを走らせた。
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いつもお世話になっております。
先日はお忙しい中、少しだけでも…と、
ご厚意でお話する時間を作ってくださって、
ありがとうございました。
すごく嬉しかったです。
最近、天気の悪い日が続いてますね。
子供たちが楽しみにしている河原探索……
なかなか、天候に恵まれず延期ばかりで
残念ですね。
毎週、『また、雨だし…。』と、ぼやきながら
ションボリしてます。
日に日にうちの窓は、てるてる坊主が増えて
今では群れのようになっています…。(笑)
廣崎先生に大樹の作ったてるてる坊主の群れ、
見せてあげたいです。絶対笑えますよ!
先生が授業でお話した雨降りの過ごし方、
すごく素敵な考え方ですね!
『そういう教え方があるんだ』と感心しました。
さすがですね!
次こそは、行けるといいですね!
河原探索、楽しそうで出来ることなら私も
参加したいくらいです。
不貞腐れる子供達の対応…。
大変だと思いますが、よろしくお願いします。
相澤
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“かなりふざけた文章になっちゃったかなぁ。
しかも長い!これはアカンかなぁ…。ぷふ。”
読み返してクスクス笑ってしまった。
だって、自分が書いたノートが、ホントに
交換日記みたいだったから。
私は、そのままノートを閉じ、丁寧に
連絡袋の中に入れた。
ちょうど、亮輔がお風呂から出てきた。
「はぁぁ!さっぱりした。」
「あ、ビール飲む?」
「あぁ、ありがと。何?また、連絡ノート?」
チラリとテーブルの上の連絡袋に目をやって
亮輔は頭を拭きながら聞いてきた。
「あ?うん。課外授業の話をね…。」
「……ふーん。茉莉はホントにマメだねぇ。
でも、 浮気はダメだぞ。ははは。」
「もぅ!大丈夫だってばぁ!亮ちゃんの心配性。
だって、3人も子供いる担任だよぉ~?
有り得んでしょ。あはは!先生が私なんて
相手にするわけないでしょ?」
冷蔵庫からビールを2本取り出し、笑いながら
話す私のすぐ後ろに来ていた。
振り返った私は、思った以上に近くにいる亮輔に
驚いて、後退りして冷蔵庫に背中がぶつかった。
「何でそんな驚く?わからんぞ?
家庭があっても先生だって所詮、男やし。」
亮輔は壁ドンならぬ冷蔵庫ドンをして、
少し口の端を上げながら冷やかな声で囁いた。
“ヤバイ…。ドS亮ちゃん発動……!?”
「だ、だって、振り返ったらそこにいるなんて
思わんやん…。それにそんなことないって…。」
ドSな目線の亮輔にドキドキしながら答える。
私は両手にビールを持っているから手が使えない。
亮輔は何も言わず、私の首筋に唇を這わせた。
「……んぅ…。」
小さく息が漏れた。その反応を見た亮輔が
私から離れ声をあげて笑う。
「ははは。茉莉、やっぱいいわぁ。めっちゃ
ドMやなぁ。おもしれぇ!くはは。」
「………。」
“うぬ~~~!亮ちゃんの意地悪~!!”
無言で膨れっ面をしている私を見て
頭をポンポンしながら、
「ごめん、あはは。ちょっとだけヤキモチ
妬いてみた。大丈夫、わかってるから。」
「亮ちゃんのバカ!もぅ!ビール、私が2本
飲むもん!亮ちゃんにはあげない!」
「えーーー!?ごめんって。ははは。」
ちょっとだけムッとしながらリビングまで
ビールを運び、1人でカシュッと開けて
先にゴクゴク飲み始めた。
チラッと亮輔の反応を見た。
亮輔は私のことをしっかり見透かしていた。
笑いながらわざと私の横に座り、わざわさ、
私の飲んでいるビールを取り上げ、ゴクッと飲み、
それをテーブルに置き、軽くキスをして、
私にのし掛かるように押し倒してきた。
“わゎ、これはヤバイ…。本気やん!?
…やっぱりめっちゃ妬いてるじゃん!!”
それでも、私はやっぱりドMで、焦りと嬉しさで
亮輔の次の行動にドキドキしている。
「ごめんって。茉莉見てると、どうしても
意地悪したくなるやん。」
「亮ちゃんのバカ……。」
今度は私の腕を抑え込み、のし掛かったまま、
耳元で甘い声で亮輔は囁いた。
「今日は…最後までヤらせて?
俺、ヤキモチ妬きだし。ふふふ。」
“えぇ!?ちょ、ちょっと待って…!!
抑え込まれてたら動けないやん……!!”
私の答えを聞く前に、既に首筋に唇を這わせ、
私の頭の上で、亮輔は片手で私の両手を簡単に
抑え込み、もう片方の手は私のルームウエアの
ワンピースの中に滑り込ませている。
「んぅ…だめ……ビール…ぁ…。」
「後でいいよ。今は茉莉がいい。」
「ここじゃ…ぃや……んん…。明る…ぃし…。」
「いいじゃん。可愛い茉莉が見たいやん。」
意地悪を言いながら唇を首から鎖骨に這わせ、
敏感な所で歯を立てる。
同時に、服の中に滑らせた手で、腿の内側を
ゆっくりと上に向かってなぞる。
「んん……だ…め。声…出ちゃぅ…。」
「いいよ、その声好き。めっちゃそそられる。
もっと聞かせてよ。」
亮輔は私の耳元で甘く囁き、耳朶を噛む。
身動き取れないのと、亮輔の少し低めの
色気のある声で、全身がゾクゾクしてしまい、
少しの刺激でも過敏に反応してしまう。
あまり声を出すと大樹が起きてきそうで
声を抑えようとする私を嘲笑うかのように、
私の足を開かせ、閉じられないように自分の
足で止めて、 片手は私の両手を抑えたまま、
更にもう一方の手は、下着の上から敏感な所を
探り当てて、中指で焦らすようにツゥゥ-と
なぞる。
「ぁ…ぁん……だめ…ぇ……ん…。」
「…だめじゃないやろ?もう濡れてるやん。
下着の上からでもわかるよ?
茉莉は相変わらず敏感でエロいなぁ。」
耳元でそう言って更に下着の中に手を滑り込ませ、
1番敏感な場所を指で擦ったり、指先にキュッと
力を入れたり…。私の反応を楽しみながら
何度も繰り返す。
その度に私の口からは艶かしい声が漏れる。
「…んぁ…ぁあ……」
「ほら、もう指が入るよ。茉莉は相変わらず
エロいなぁ。」
亮輔はドSな言葉で攻めてくるから、私は余計
感じてしまう。
「…やぁ…んん……ィジワ…ル…ぁ…あん…。」
濡れた割れ目に沿ってゆっくりと指を1本、
更に1本と挿入していく。
亮輔が指を動かす度に濡れた音が響き、
その都度、私の身体がビクンビクンと反応し、
抑えきれない艶かしい声が漏れる。
ドSな態度なのに、亮輔の口から出る言葉は
驚くほど甘くて色っぽい。
亮輔が与える快楽とドSな態度と甘い声で、
頭の芯がジィンとして私は抵抗出来なくなる。
……結局、今回は抑え込まれたまま最後まで、
なだれ込んでしまった。
乱れた服と髪を直しながら、
「…もぅ、ビール温くなっちゃったじゃん。」
「いいじゃん、茉莉、可愛かったし。」
「亮ちゃんのバカ!何それ。」
温くなったビールを飲もうとしたら、
「あ、それ、俺飲むから、茉莉は新しいの
冷蔵庫から出してきな。」
「え?いいよぉ。亮ちゃんのビールは、
新しいの持ってくるから。」
「サンキュ。でも、これは俺が飲む。
だって、俺が襲ったから。くふふ。」
満足げに亮輔が温くなったビールを
一気に飲んだ。
「…ドSな亮ちゃん。…好きだけど。ふふ。」
そう言って、まだ開けてないビールを冷やし、
新しく冷えたビールを取り出した。
「くふふ。知ってる。ドMな茉莉ちゃん。」
「亮ちゃんのバカちん…。ぷふふ。」
そう言って、冷えたビールを開けて、
一口飲む。
「課外授業、次は晴れるといいねぇ。」
「そうやなぁ。ホント雨ばっかだもんな。」
そんな話をして、笑い合った。
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