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河原沿い
「お疲れ様でした!」
いそいそと帰る準備をしていると、
栞里に声を掛けられた。
「茉莉ちゃん!お疲れ様!準備早いじゃん。」
「ふふふ。河原探索が5、6時間目だから、
今から帰れば、ちょっとだけ様子が見れるかも。」
「あ!そっか!じゃあ、急がなきゃだね!
気をつけてね。また、明日、報告楽しみに
してるよー!」
「あはは!はいはーい。じゃあ、お先に~。」
そう言って、栞里と別れた。
売り場にいる店長にも挨拶をしてお店を出た。
運転しながら時計を見た。
“この時間ならまだ河原にいるかな。それとも
もう、教室に戻ってるかな…。とりあえず、
河原沿いを通ってみようかな。”
いつも帰る道から脇道に入ると大樹達が
探索する小川の所に繋がっている。
その脇道に入ってゆっくり車を走らせた。
賑やかな声が聞こえてくる。
“あ!まだいた!子供たちがたくさんいるー!”
たくさんの子供達が小川にいるのを見つけて
嬉しくなってしまった。
小川沿いの空き地に車を停めて、窓を開けて、
眺めてみる。
“大樹はどこだろう?うーん。この距離からだと、
みんな一緒に見えるなぁ。…あ!先生見っけ!
ふふふ。わかりやすいなぁ!先生は遠くから
でも見つけれるやん。動きが独特やもんなぁ。”
自分の子を見つけるよりも早く廣崎を
見つけてしまった。
車から降りて、小川にかかる小さな橋まで
ゆっくり歩いた。
そこからは、さっきよりも良く見える。
“あ!大樹見っけ!隣にいるのは煌也君かな?
相変わらず仲良いなぁ!あはは!楽しそう!”
廣崎が子供達を1ヶ所に集め、
何かを説明している。
そして、その後、子供達を2列に並ばせて、
学校へ戻るよう指示を出したようだ。
きちんと並んで河原から学校へ向かって
帰っていった。
“さて、私も帰ろうかな。少しだけ見れて
良かった!”
ちょっとだけ幸せな気分で帰宅した。
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