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反抗期…?
その日の夕方、何時も通り大樹は
元気に帰ってきた。
今日もジョージを覗き込み、その後に決まって
大きな声での
「ただいま~!」
その声を聞いて、私は少しだけ安心した。
「お帰り~」
いつものようにドタバタとリビングに
駆け込んでくる大樹。
「お母さん、児童館行ってきて良い?」
いつもの屈託のない笑顔で問いかける大樹に
ホッとしつつ、問いかけた。
「ん?良いけど宿題はー?」
「えー?帰ってからやるよー」
めんどくさそうに答える大樹。
大樹の行動を観察しつつ、アタシは問いかけた。
「んー。じゃあ、帰ったらすぐやる?」
「うん!やるから!」
既にカバンをゴソゴソしながら、
こちらを見ることなく答える大樹。
「じゃあ、約束ね。そのかわり、
洗い物と宿題の準備はしてからね。」
「わかった!これ出したら行ってくる!」
そう言って、洗い物を出し、
宿題のノートをリビングに放り出して
元気に駆け出していく。
「気をつけてねー!」
「はーい!行ってきまーす!」
駆けて行く大樹をベランダから見ながら
小さく溜め息をついた。
リビングに散らかったランドセルの中身を
拾いながら連絡ノートに目を落とした。
連絡ノートを拾い上げ、ぼんやり呟いた。
“反抗期なのかなぁ…最近の態度。
気のせいなら良いんだけど…”
連絡ノートをパラパラと開きながら
また小さく溜め息をついてしまった。
そして、拾い集めたノートや教科書の間に挟まった一枚のプリントを手に取った。
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