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結局、松浦もユウキも触れずにいた。
アユミは呼吸も落ち着きゆっくり回復しているようにみえた。
明るくなり隣の民家を探索をする。幸いにもゾンビは居ない。人間もこの辺りには居ない。もしくはずっとどこかに隠れてるか。何度も外の通りを確認してるが足跡が一つとしてない。
残る不安は食料だ。缶詰も無くなった。
かろうじて持ってこれたのは、お茶の乾燥と粉末。砂糖と塩。
本格的に家探しが始まる。
松浦とユウキのペアが少し離れた民家へ出向く。佐々木は一人で隣の民家を家探しする。アユミを一人にする事に悩むものの食料探しも優先しなければならない。
見つけたのは乾燥椎茸一袋。
高速道路に戻れば、多少の食料はある。だがあの勾配を登るのは苦しい。まだ家探しをする方が労力的に楽だ。
雪が溶ければ山芋はある。だがそれは早くても一ヶ月は先だろう。
アユミが意識を取り戻す。身体の具合を聞くも、骨折や脱臼もなく最悪の事態は免れた。唇がカサついて頬は痩せこけている。免疫が落ちてるし栄養も足りてない。
家探しの範囲が広がる。懐中電灯が見つからないのが難点。どの家の部屋も雪が窓を覆って暗い。そしてたまにゾンビが居る。ほとんどが弱っていた。弱っていたというよりも、手足が崩れていて這うだけだった。運が悪ければ気付かずに噛まれる可能性が高い。コタツが無かったらユウキは噛まれていたかもしれない場面があった。
すぐ見つかるのは衣服類と布団や毛布。燃やす物はたくさんある。
手に入れたのは、バッドに釣り竿一式。
また乾燥椎茸。ワカメもあったが粉々になり食べられなかった。缶詰は膨らんでいた。中が腐って発酵してる。
二日過ごしアユミが、もう大丈夫だから。と強く言うので三人で少し離れた商店街に出向く事にした。
アーケードの屋根がある商店街。そこにはやはりゾンビと何人かの人間がいるらしく、雪道にゾンビが歩いただろうランダムな足跡の他に、まっすぐな足跡も無数あった。人間に殺されてたゾンビもいる。凍っているのでいつ殺されたかは分からない。
全ての店は中に入った形跡があり、収穫の見込みは無さそうだった。住んでる人間の数が分からない以上ここは危険な為、断念する。
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