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松浦は起こされた。全く寝足りない。
瞼が重い。筋肉痛か関節痛か分からないが身体の節々が痛い。それでもムクリと起きだす。
[俺は何時間寝た?]
[分かんない。でももうすぐ明け方]
松浦は逆算する。まだ日が暮れてない時に家に入ったから。だいぶ寝たな。とそこで初めてアユミに気付く。
[アユミは?]
[ずっと寝てるよ。でも手足が凄く熱い]
[水をどんどん飲ませよう。息は大丈夫そうだな]
アユミの落ち着いた呼吸を確認。血の気は戻ってる。
[意識は?]
[何回か目を開けたよ。水は少しは飲んだ。梅酒あげる?]
[分からん。栄養あるけど佐々木に聞いてからだな。砂糖水だ。少し塩を入れよう]
松浦は答える。多分それであってるはずだ。漫画での知識。熱い手足を冷やすのかは分からない。だが冷やすのは額だけだと思う。
[ユウキは休もう]
[あの、松浦さん]
[なんだ?]
[汗吹く時にオッパイ触っちゃった]
それを言いたくて佐々木を起こさず俺を起こしたんだ。松浦は思った。そんな事よりも俺も触りたい。
[そうか。大丈夫だ。俺も触る]
[ダメだよ。大丈夫じゃないよ]
[なんでだよ。ユウキ触ったじゃないか]
[もう触らないから。だからさ]
[分かったよ。触らないよ]
松浦はウソをつく。
[ウソだ。絶対ウソだ]
[おい。なんでそんなに元気なんだよ。汗は拭くけど触らないようにするよ]
ユウキは黙る。松浦の言葉を信じてない。
[じゃあ今触っとく?]
松浦の言葉にユウキは黙る。
[触ったからって病気が重くなるわけじゃない。大丈夫だ]
松浦は自分に対しても言い訳をした。
アユミの事に気付いてからすぐオッパイを触れるかも。という考えは思いついた。だが罪悪感があった。でもユウキが既に触った事を知り、やはりコッソリ触ろうと思った。
ユウキは照れながらもアユミの布団の中に手を入れた。
[どうだ?]松浦の問いにユウキは[柔らかい]とハニカミ答えた。
松浦は自分のではないのに何故か自慢気な笑みを浮かべた。
[さぁもう寝ろ]
[やっぱ起きて看病する]
[なんでだよ]
[だって触るじゃん]
[お前今触ったろ。しかも二回だぞ。自分だけズルいじゃん]
松浦はアユミの布団の中に手を入れたがユウキがその手を掴む。
[なんでだよ]
松浦の張り上げた声に佐々木が起きた。
[どうした?アユミに何かあったのか?]
[いや、大丈夫そう]
松浦は恨めしげな目でユウキを見て言った。そしてブツブツと文句を呟いた。
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