セピア色のあなたに

Ep1

桜が舞う季節。

ある者は友達と同じクラスだと騒ぎ喜び、

ある者は新しい部活の選択に心を弾ませ、

またある者は早くも先輩へラブコールを送っている。

どこもかしこも

［ありきたり］

これから彼らは
皆 同じ制服を着て、同じ時間を過ごして、同じ涙を流して卒業するだろう。

何気なく日常を過ごし
結局は 同じゴールへたどり着く

違う。
私には予想外が欲しい

そんなことを考えながら歩いていると、
体育館の方から聞き覚えのある音がひとつ

そしてそこへ向かう1人の影が目に留まった。

セピア色…

わたしにはわかる。

この人は違う。

「え？４月なのに雪降ってきたんだけど。
最悪」

「ほんとだ！早く中入ろ！」

あれから3年、
私の最後の学生生活が始まった。