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「じゃ、楽しんできてください」
「「「え?」」」
3人の「え」のがユニゾンになったところで
脱出経路確認。前方斜め左 異常なーし。
発進まで、
3
2
1
…行け!わたし!
しかしその場を逃げ出すどころか
1歩踏み出すことさえ許されなかった。
「寂しいじゃんか、一緒に話そうよ〜」
最初に話しかけてきた方とは別の人が
しっかりと長い腕で私を掴んだ
「離してください、用事がありますので」
「なんのー?」
「あなたには関係ありません」
「アリアリ!大アリ!
どこ行くの?ゲームセンター?
それとも〜、カフェとか!
俺めっちゃいいとこ知ってんだよね!」
「…すみません。忙しいので」
「ちょっとだけでいいからさ」
「失礼します。」
「ねえ、
真琴チャン」
掴まれた腕の先の彼が
確かに私の名前を呼んだ
「やっとこっち見てくれた。
驚いた顔もかわいいネ。
かわいすぎて意地悪したくなっちゃう」
そう耳元で囁いた
その瞬間
『キャーーーー!』
いつの間にか大勢の女子達が
私たち4人を取り囲むように並んでいた
きゃー?
なになになになに?
『あの子達 誰?』
『まだ1年よね?』
『それより、
今日もあの2人相変わらずかっこいいね』
『目の保養だわ〜』
多少のパニックのせいで認識がだいぶ遅れているけれど、なんとなーく察すると
私なんかが関わっちゃいけない人達らしい。
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