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「ここじゃ気が紛れちゃうだろうから
どっか行かない?」
最初に話しかけてきた人が正門のほうを差す
「ですね!場所変えちゃいましょう」
チャコはもう既に乗り気で
いつものブラックチャコは封印されていた。
あの女。私が苦手だとわかってて...
「じゃ、行こっか」
早くも私以外の3人はこうなる事が分かっていたかのようにスムーズに事を進めた。
くせもの男子は
時折 周りの女の子達に「ありがとう」なんて言いながら道を開けるようにスタスタ歩いて行き、私達を手招きした。
「...チャコ、私は無理だよ」
チャコにだけ聞こえる声でそっと囁く
「...何言ってんのよ。
あんたにはもっと現実的な男が必要なの。
練習練習」
「…本当に無理。お願い、帰ろ?」
潤ませた目をパチクリさせてみたけど
必死の訴えは呆気なく却下。
「どうかした?」
悔しいくらいに爽やかなくせもの達に
苛立ちを覚える。
あんたらのせいでこっちは行きたくもない所行かされて貴重な時間割かなきゃならなくなってんの!
叫び狂いそうな感情とは裏腹に
精一杯の愛想笑いを浮かべ
なんとか理性を保つ。
「い、いえ!なんでも!!
ね、まーこーとぉー?」
代わりに答えたチャコは
「行くわよね」というように
私にだけ目配せした。
ブラックチャコ降臨
あれー?おかしいな。
さっき封印しませんでした?
こうなったら止まらないチャコに
私は完全に丸め込まれる。
「ハイ。イキマス。」
と、あからさまなカタコトには誰も反応せず
先輩であろう2人の後をノコノコついて行く羽目になった
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