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さすがは爽やか男子達。
例え くせもの であろうと、終始[爽やか]が止まらない彼らはここへ来るまでにどれだけの通行人から注目を集めれば気が済むのだろう。
選んだお店は学校から徒歩5分くらいの裏道にある 木を基調とした雰囲気の隠れ家カフェだった。
2階のフロアには雑貨も置いてあって
とても可愛らしい。
そして流石は爽やかさん達。
あっす!とお馴染みのようにマスターに会釈したものだから
つられてペコっとしてみる。
「どうぞ」
先に話しかけてきた先輩が慣れた様子で一番奥の窓に近い席に案内する。
「じゃあまずは自己紹介から。
俺は2年の大貴-ダイキ-
いきなり声かけちゃってごめんね」
黒髪に清潔感のある白いシャツと濃いめのデニムを合わせた、端正な顔立ちの大貴さん。
ここまで罪の意識がないごめんねに出会ったのは初めてだったけれどチャコはそんなのかにする様子もなく
「とんでもないです!
イケメンの、
しかも大貴さんみたいな方に
声をかけてもらえるなんて光栄です」
いつにも増して食い気味なチャコ
「自分なんてそんな、」
あからさまな照れ具合が女の勘に引っかかる
これ、気に入ってる、よね。
…多分。
いや、絶対。
「でも結局みんな 本命は俺なんだよね」
「直輝さん、まさかお会いできるなんて」
「嬉しい事言ってくれるね、智子チャン」
「名前知っててくれてたんですか?!」
「もちろん。マナーだよ」
チャコ、満更でもない顔しないの。
大貴さんの目が先からずっと寂しそうなの気づいてあげて
「私は智子です
みんなにはチャコって呼ばれてます」
「チャコちゃん、可愛い名前だね」
「ありがとうございますっ!大貴さん」
ますっ!
って、女子高生か!JKか!
アオハル真っ只中か!
というかもう今ので完全に大貴さん落ちたよ
耳が真っ赤だもん
顔がヘニョヘニョだもん
幸せそうだもんー!
エンドエンド、ハッピーエンドー!
しかしそんな私にはお構い無しに
話は着々と進む
「で、真琴チャンだよね?」
「まぁ、私のことはお気になさらず」
精一杯の苦笑いをプレゼントする
「それがそんな訳にもいかなくてさ〜、
やっと会えたね、真琴チャン」
なんなのこの人。
初めて会ったのに
もう苦手。
「ハハハ」
目の前に座る直輝さんと呼ばれた人は
光に当たった赤髪が目を惹き、片方に二つ空いたピアスの跡がヤンチャしてるんだろうな〜と伝わってくる
「んじゃあ質問。2人の関係は?」
「大学入ってからなんとなーく仲良くなりましたね!」
ま、まあ。
「チャコチャンと真琴チャンの趣味は?」
「わたしは音楽鑑賞とか、読書とか、、あと映画鑑賞もすきですね!」
ん?聞いたことないよ チャコ。
「じゃあ放課後は?いつも何してるの?」
「バイトです!雑貨屋さんで働いてます!」
最近よく来るお客さんがタイプって言ってませんでしたっけ。
「今気になってる人とかいたりするの?」
「いえ、2人ともドフリーでーす!」
だめだこりゃ。
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