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綺麗なネェチャンでもいりゃ良かったんだが、昼間とはいえ真冬じゃ流石に誰も公園に寄り付きゃしねぇ、ヒック。人気がない公園じゃ俺の話し相手は、目の前の色気も何もねぇ巨人様だけだ。
「大体何だそのふざけた右手はよ。ジョッキでも片手に持って酒飲んでるフリってか、ヒック。だったら俺が代わりに乾杯してやるよ、ヒック。」
何杯目か分からねぇビール缶をプシュと開けて、グビグビと呷る様を巨人の像に見せ付ける。お前は可哀想だなぁ。何せ一歩も動けねぇんだもんな。こうして寒空の下、ガソリンを入れて心も体も暖まることもできねぇんだもんな。お前にもこのキレ味、飲ませてやりてえよ。
「あーしっかし、つまんねぇ休日だな。家に帰ってもうるせぇだけだし、いい感じに酔いも回ってきたし、ちと昼寝でもするか。こんだけ天気良けりゃ風邪もひかねぇだろ、ヒック。」
まだ数本残ってるが、起きてから飲めばいいや。寒いし温くはならないだろと思って、俺は青空の下昼寝をすることにした。
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