朝比奈 リナの日常

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夜明は小さく唸りながら体を戻そうと動かす。 「お前たちは何なんだ!」  中年の男は一歩、半透明の体を後ろへ引いた。 「すぐに消えてしまう。悪霊に名乗るほどでもないけど、 教えておいてあげる」  金髪の長い髪を払い、中年の男を見据えて言った。 「美少女魔女の朝比奈 リナよ」 「魔女……」  中年の男が笑いだす。 「頭は大丈夫か、お嬢ちゃん。 この世界にそんなものはいないよ。 大方、テレビアニメの見過ぎでそうなったんだろ。 目を覚ましな」  リナは動じることなく、碧い瞳を中年の男に向けている。 「世の中を知らないのはおじさんでしょ」 「ふん。じゃあ、あの男は魔法使いの弟子ってわけか?」  壁に寄りかかっている夜明を指さす。 「違うわ」
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