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ランダムに選ばれ刻まれたビートは、童顔で小柄で華奢な彼女からは想像もつかないハードなものだった。
一気に別世界へ惹き込まれる。
そこへヴォーカルヒロトのシャウトが加わる。
気持ちが昂る。
耳から伝わる全てを感じるために。
全神経を、感情をアタマの両サイドに集中する。
彼の息遣いを。
飛び散る汗を。
躍動する心を。
全て聞き逃さない。
曲ごとに目まぐるしく変わるエモーションは思春期の彼女そのものだ。
疾走感に突き動かされる。
耳元で囁かれる愛の言葉に射抜かれる。
真っすぐだがどこか歪んだ心が彼女を捉えて離さない。
気がついていた。
(私は彼に恋している。)
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