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予想外に喜んでくれたルドルフの反応に満足しながら、甘いミルクティーに口をつけた時、クリスマスツリーが目に入った。
リビングの中頃にある壁際に、街で見かけても不思議じゃないほど煌びやかに佇んでいる。
「そうだ、」
それを見てプレゼントの存在を思い出し、僕はこたつから這い出した。
「メリークリスマス」
ラッピングされた箱を差し出す。ルドルフは虚を突かれたように一瞬固まった。
「用意してたんだな」
「まあ一応」
僕はふいっと顔を背ける。座って包装紙の破れる音を聞きていると、だんだんと緊張が高まっていく。
ルドルフは壊れ物のようにそっと、グレーとブルーのリバーシブル柄のマフラーを取り出した。手にしたまま、驚きの表情に固まる。
その反応がどういうものなのかわからず、おずおずと補足する。
「この前、ぼろぼろにしただろ?」
「そう言うことか……」
ルドルフは脱力したように呟いた。瞬間、不安が過ぎる。
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