67人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
翌日、妻の勧めで近くの医療センターを受診しました。
血液検査、心電図、レントゲン、CTなど一通りの検査を受け、
形成外科の外来を受診しましたが、原因は分かりませんでした。
その日は土曜日で、脳神経内科の専門医がいないので、
後日もう一度受診するように言われました。
週が明けて月曜日、脳神経内科の外来を受診しました。
診察室には女性の先生がおり、
問診と触診の後、
早めに入院し、精密検査を受けるよう勧められました。
その頃、大学は期末試験の時期で忙しかったので、
最初、私は渋りましたが、
最終的に妻に説得され、翌週から検査入院することになりました。
当時の私は病院に行く度、ALSに向かって、
一歩一歩近づいて行っているように感じていました。
10日後、入院し4日間かけて精密検査を受けました。
担当は外来を受診した時に診てくれた女性の先生でした。
最終日、最後の検査を受けていた時、
普段あまり自分から喋らない先生が私に話しかけてきました。
「ご自身の病状について、何かお調べになりましたか?」
私は「いいえ」と嘘を付きました。
私の返事を聞いた時の先生の悲しげな表情が今でも忘れられません。
全ての検査が終わり、カンファレンスルームに移りました。
そして、そこで告知されました。
「病名は、筋萎縮性側索硬化症、ALSです」と。
最初のコメントを投稿しよう!