君と僕が創り出す物語

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つまらない ぼーっとメッセージを見ながら ぼんやりとそんなことを思う 明日みんなでカラオケ行こう!! 自分の送ったメッセージに 既読がいくつもつき反応が返ってくる 行きたい! 他の子も誘おうよ! お誘い嬉しいです!! 本当はそんなの行きたくもないんだけど でもコミュニケーション取ってないとさ 人って離れてくじゃん? いつも明るく笑顔で沢山の人に 囲まれていれば人生勝ち組でしょ そんな考えを持っている自分が この世で1番嫌いなんだけど 今の世の中がそれを許してくれない ひとりでいたら馬鹿にされるし 個性を出したらいじめられる 面白みもないみんな同じの世界 私の人生は充実していると言われる 誰にも嫌われずにむしろ好かれて 独りぼっちになったことなんてない 端から見れば充実した人生 実際こんなにもこの生活に 憂鬱を感じているというのに 周りの人間が嫌いなんじゃない かといって好きなわけでもない 自分をもてない自分が嫌い 毎日に刺激がなさすぎる 誰かの意見ばっかり気にして 誰かの顔ばっかり気にして もうそんな日々に飽き飽きしてきて とにかく自分を捨てて 新しい何かに生まれ変わりたい 今の私の頭にはそんな考えしかなかった いいね!じゃあ誰誘う~? いつものメンバーでいいのに また知り合いが増えることに 面倒くささを感じながらも メッセージを送信すると 深いため息をついてベットに横になった 「下らないなぁ」 目をつむると静かな部屋に通知音が ひたすら鳴り響いている それはまるで耳鳴りのように聞こえて 私は耳を塞ぐとそのまま 深い眠りについた
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