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「先週起きた中学生飛び降り自殺の続報です」
「先週中学生の男の子が学校の屋上から飛び降り自殺をするという事件が起こりました」
「遺書などは見つかっておらず学校はイジメはなかったと……」
クラスの男の子が自殺した。
綺麗な艶のある黒髪で透き通るような白い肌の中性的な男子だった。
その見た目から女子から人気がありそれに嫉妬した女々しい男子がいじめを初めクラス全体に広がった。
私は彼がいじめられているのを黙認し、私はいじめてないと、中立に立っている気がしていた、それしか出来なかった。
彼は自殺した、でも、一週間経った教室は何事もなかったかのようなだった。
学校はイジメのアンケートを一度だけして、最初は悲しんで後悔していた人たちからは彼の名前は、もう、出ない。
教室の隅の彼が水をあげていた花は枯れていた。
私は彼のいじめを受けても笑顔でいれる強さとどんなものにも優しい心がすきだった。
私は屋上に行き、柵を乗り越えた所で空を見上げた。
空には分厚い雲が広がってて、それが何処までも続いている。
私はそんな空を見上げた。
「ずっと好きだったよ」
言えなかった彼への気持ちを呟いた。
そして、やっと一歩を踏み出せた。
彼の最後の景色だけは共有できた気がして私は微笑んだ。
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