33人が本棚に入れています
本棚に追加
9
舞踏会会場の奥から、銃砲を構えた軍隊が現れた。
当然、攻撃目標は、身体に装着した不可思議な装置を駆使して泡を撒き散らし、貴族たちを泡の中でワナワナと痙攣させながらドロドロに溶解させている転校生・向井田である。
派手な一斉射撃を行なった軍隊は、それによって舞踏会会場の装飾や建物の一部を破壊しながら、容赦なく向井田に攻撃を行った。
向井田はすかさず、舞踏会会場の壁がある場所に隠れ、軍隊の攻撃をかわしたが、またカブトガニ型の空飛ぶ兵士が向井田の位置を割り出して飛んできたので、それを破壊する際に軍隊に現在の位置が発覚してしまった。
だが向井田は、身体に巻きつけた管を全て取り外し、力一杯軍隊が潜伏している方角に投げ込んだのだ。
長々と伸びた管は、そのまま宙を飛翔した後、軍隊が存在している位置からかなり近い場所に落下した。
落下した時、管の発射口が軍隊の方を向いた。
その瞬間、すかさず向井田は、管の発射口から大量の泡を一斉に放射した。
怒涛の勢いで放出された大量の泡は、軍隊が潜伏する位置にダイレクトに砲撃された。
すると泡を直撃的に浴びせられた軍隊の中の兵士たちが、次々にワナワナと痙攣し始め、断末魔の叫びを上げて、泡まみれになりながらドロドロと溶解し始めた。
焦った指揮官が、すぐに向井田への一斉射撃を命じたが、ワナワナと痙攣している兵士たちはクルクルと不規則に回転しながら砲撃を行ったがために、ついには味方の兵士を誤射しまくる惨事に発展。
そしていよいよ、指揮官が、ドロドロに溶解し痙攣している最中に発砲した兵士の誤射弾を受けて、絶命してしまった。
もはや、仮面舞踏会は、貴族と兵士たちが泡まみれでドロドロに溶解していくばかりの地獄絵図と化していった。
貴族や兵士たちは、泡まみれになると、まるでダンスするようにワナワナと不気味な痙攣を繰り返しながら、断末魔の叫びを上げた後、次々とドロドロに溶解していった。
そんな地獄の光景が、仮面舞踏会会場全土に余すところなく拡大していった。
向井田は、尚も管の発射口から泡を怒涛の如く大量に放射し続け、いつの間にか、仮面舞踏会会場全土を泡まみれにしてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!