ジャムの青春

雨降り

ぽつ ぽつ ぽつ

今朝の天気予報は晴れって言ってたのに…
雨かよ。

授業が終わって、校門で彼女…ジャムを待っていた。小雨だった雨もだんだんと大降りになっていく。傘、持ってくればよかったな。

｢優(ゆう)～！ごめん！遅くなった～｣

ジャムが走ってきた…
と同時に雨が止んだ。
そして、辺りはぱっと明るくなった。

｢雨、やんだね｣

｢ほんとだ～！さっきまで降ってたのにね｣

｢ジャムが来たらやんだよ｣

｢え？そうなの？…って優の服濡れてるよぉ～」

そう言いながら、ジャムは俺の制服を見る。

｢大丈夫。晴れたし乾くよ｣

｢そう？じゃ～帰ろっか？｣

｢うん｣

それからいつものように手を繋いで、並んで歩く。いつだってジャムは、晴れにしてくれる。俺の心が雨のときも。そんな力がジャムにはあると思う。本人は気づいてないけどね。

｢なーに？優？考えごと？｣

｢いや。なんにも考えてなかった｣

｢へんなの～｣

この何気ない日々が愛おしい。