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「……」
小牧の話を無の表情で聞いていた加賀美は、再び履歴書に目を落とした。
「えー、次に駅前のカフェで働いてますが、こちらはなぜ?」
「これもまぁ……人間関係ですかね」
「人間関係……」
思わず顔が引きつる加賀美。
「はい。僕の性格は周りの人をイライラさせてしまうみたいでしてーー」
「わかりました、もう結構です」
「あっ、すみません……」
「その次にジェラート屋で働いてますが、もしかしてこれも?」
「はい、以下同文で……」
「……」
加賀美はこめかみを押さえながら顔をしかめた。
「お話を聞いている限り、小牧さんは人間関係を築くのがあまり得意ではない?」
「はい。いかんせん昔から暗くて消極的な性格なんです……。二人組作るやつとかいつも僕だけ余ってました。だから自動的に先生と組むみたいな……」
「失礼ですが、あなた、受ける会社を間違えていませんか?」
「え……?」
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