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「『昨今、当店はライバル店乱立により業績悪化の一途を辿っております。そんな現状を食い止めるべく、我々スタッフ一同はスーパーマンのような救世主を求めています。つきましてはコミュニケーション能力が高く、ほとばしる熱意を持った、明るく積極的なパティシエの方からのご応募、是非待ちしております』。我が社の求人サイトにはこう表示されていたはずです。小牧さん、あなたに当てはまる部分がどこにありますか?」
「あ、あの……、僕はただ、ルビークリームを救えたらいいなと思って……」
「冗談はよしてください。あなた、ご自分がスーパーマンだと思いで?」
「そ、それは……」
「お話になりませんね。こっちはこれから何人も面接もしないといけないし、非常に忙しいんです。あなたのような人と話している時間はありません。今回はご縁がなかったということで、どうぞお帰りください」
「わかりました……」
頭を垂れながら面接室から出ていく小牧。
その直後、加賀美の携帯が鳴った。上司の木田からだった。
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