スーパーマン

3/4
前へ
/4ページ
次へ
「『昨今、当店はライバル店乱立により業績悪化の一途を辿っております。そんな現状を食い止めるべく、我々スタッフ一同はスーパーマンのような救世主を求めています。つきましてはコミュニケーション能力が高く、ほとばしる熱意を持った、明るく積極的なパティシエの方からのご応募、是非待ちしております』。我が社の求人サイトにはこう表示されていたはずです。小牧さん、あなたに当てはまる部分がどこにありますか?」 「あ、あの……、僕はただ、ルビークリームを救えたらいいなと思って……」 「冗談はよしてください。あなた、ご自分がスーパーマンだと思いで?」 「そ、それは……」 「お話になりませんね。こっちはこれから何人も面接もしないといけないし、非常に忙しいんです。あなたのような人と話している時間はありません。今回はご縁がなかったということで、どうぞお帰りください」 「わかりました……」 頭を垂れながら面接室から出ていく小牧。 その直後、加賀美の携帯が鳴った。上司の木田からだった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加